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ご挨拶

理事長就任のご挨拶

井口保之(理事長)

 この度 前理事長 高瀬憲作先生の後任として、2022年6月から一般社団法人日本脳神経超音波学会の理事長を拝命いたしました。本学会は、前身の日本脳・神経超音波研究会発足からの長い歴史と伝統を誇り、現在800余名の会員を擁しております。脳神経超音波領域におけるわが国唯一の学会として、1)機関誌(Neurosonology誌)および刊行物(脳神経超音波マニュアル)発刊、2)認定検査士制度、3)年次学術集会開催等により脳神経超音波の基礎・臨床研究と応用、人材育成に注力しております。

 脳神経超音波の基礎的知見が蓄積するとともに、その利活用は脳血管および脳組織のみならず末梢神経、筋組織など全身諸臓器へ広がりつつあります。集束超音波療法、超音波線溶療法、薬物デリバリーシステムの開発はめざましく、細胞治療・再生医学への展開が期待されています。私達の使命は、基礎及び臨床研究成果を公表し社会実装すること、さらに活動を通して本邦の福祉厚生向上に寄与することです。そのために本学会の3基幹事業に加えて、2021年より4)一般社団法人内科系学会社会保険連合(内保連)加盟を前提とした保険委員会(藤本 茂委員長)を設置しました。本学会の全ての活動を通して従前に増し「国民に必要とされる脳神経超音波」を公知できることを切に願っています。

 今後5年間の課題は、1)日本栓子検出と治療学会(エンボラス学会)との合流、2)機関誌および認定検査士制度の活性化、3)本学会の広報活動です。これらの案件は、本学会の大きな幹、すなわち「学会員の増加と財務状況の健全化」に直結します。皆様に於かれましては、本学会の幹を育み、根を伸ばし、大輪の花を咲かせる、脳神経超音波の未来予想図をともに描き、実現しようではありませんか。浅学若輩である小職の身に余る理事長職を拝受するにあたり、皆様からのご指導、ご鞭撻を切にお願いしご挨拶としたく存じます。

2022年(令和4年)6月

一般社団法人日本脳神経超音波学会
理事長  井口保之

理事長退任の挨拶

高瀬憲作(前理事長)

 2016(平成28)年6月に国立循環器病研究センター病院長峰松一夫先生の後任として、6年間、一般社団法人日本脳神経超音波学会の理事長を務めて参りました。本学会は、前身の日本脳・神経超音波研究会発足から41年の長い歴史と伝統があり、脳神経超音波領域におけるわが国唯一の学術団体として発展してきました。

 私が理事長に就任して以来、第36回(2017年)日本脳神経超音波学会総会から、神経超音波研究会(代表世話人 西山和利先生)との合同セッションを開催しています。第37回(2018年)総会では、長束一行会長のご尽力で、日本超音波医学会第91回学術集会との合同開催を神戸で実現することができました。2020年初頭からのcovid-19感染症拡大によって、第39回総会の開催時期を6月から12月に半年間延期し、さらに、全面的なweb開催となりました。矢坂正弘会長、岡田靖先生はじめご関係の諸先生のご努力により、無事開催することができました。第40回(2021年)の総会は、永井秀政会長により、縁結びの神様の出雲で第24回日本栓子検出と治療学会(藤本茂会長)(以下エンボラス学会)との合同総会となりました。惜しくもcovid-19感染症のためにweb開催となりました。第41回総会は北川一夫会長のもと、前年と同様に、第25回エンボラス学会堤由紀子会長とともに、初めてのハイブリッド形式による合同開催も成功裏に終えることができました。エンボラス学会は、皆様御存知のように、1998年に古幡博先生により始められた、本学会とは兄弟のような関係の学会で、今後、両学会は統一を目指して行くことになりました。これら他学会、研究会などとの協力の実績の全ては、本学会の理事、評議員はじめ会員の諸先生方のご努力、ご尽力によるものと、心から感謝申し上げます。

 理事長就任時学会に事務処理の簡素化、適正化、収支のより一層の健全化を目標として参りました。委託契約の明文化、2年毎の見直しなどの内規を定め、いかなる場合にも学会の運営が滞ることなく進むように整備をすることができたと自負しております。任期の後半はcovid-19感染症拡大のために十分な学会活動もできず、会員の先生方には大変ご迷惑をおかけしました。心よりお詫び申しあげます。

 本学会は医師のみならず、臨床検査技師、放射線技師や理工系の超音波研究者も参加いただいており、職種や地域などの垣根を超えて、神経超音波に関心のある方々の集まりとして更に発展することが期待されます。認定脳神経超音波検査士の認定試験も2022年に初めて東京で行なうことができました。また、機関誌「Neurosonology」も35巻を数えるまでになりました。懸案の脳神経超音波マニュアル2020も井口保之先生、濱口浩敏先生のご協力により刊行し、頒布することができました。内保連への加盟も藤本茂先生らのご努力で実現しそうです。

 後任の東京慈恵会医科大学脳神経内科の井口保之教授に今後の発展を託すこととして、退任の挨拶と致します。

2022年(令和4年)6月

一般社団法人日本脳神経超音波学会
前理事長  瀬憲作
(JA徳島厚生連 阿南医療センター)
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